アメリカ的間投詞

機械学習、AWS、Webなど

フリーランス始めて1年経ったので振り返る

2019年3月末に、それまで3年間正社員として働いていたクックパッド株式会社を退職し、フリーランスとして仕事を始めた。つまり今日からフリーランス2年目が始まるということなので、ここで1年目がどうだったのかを振り返ってみる。

仕事の内容ついて

今年度あった仕事/契約については、ソフトウェア開発業務の準委任契約、つまり時間単価で受けるケースがほとんどであった。意図的に寄せたわけではなく、仕事の内容と関わり方から最適な方法を探ると多くの場合時間単価受けに落ち着いたという感じ。その他にRailsアプリの受託開発が1件、短期だが技術顧問の仕事が1件あった。

今年やった仕事は、Webスタック(AWS,Railsがメイン)の開発業務、SRE系の業務(ロギングと監視、IaC、ツール開発など)、データ分析系の業務(データを貰ってレポートするもの)、機械学習系のPoC("AI"案件)、技術顧問である。売上としてはWeb開発、SRE系が支配的であり、案件もその辺りが多いように見受けられた。SRE系というか、稼働していてかつ売上が上がっているサービスのインフラ周りの球拾い(火消しというほどではない)をする仕事が一定量あるようだった。

仕事のとり方と契約について

正社員時代から副業でお世話になっている1件のみはエージェントからの紹介で、残りはWantedlyTwitterで声をかけてもらうか、知り合いから紹介してもらい、直接出向いて仕事を貰うというやり方であった。

直接で向いて交渉するのはなかなか大変だったというか、単身で出向いて「なるべくいい仕事をするからなるべくたくさんお金をくれ」という会話をするのは、実際に開発をすることに比べれば個人的には楽しいものではなかった。「ちなみに報酬はおいくらくらいでやってくれますか?」という質問に対して、逡巡するふりをして予め想定しておいた金額を伝えるのがなかなか気まずいので、面談前に想定している単価は伝えるようにしていた。単価は仕事の内容によっても変わってしかるべきだと思うのでなかなか難しい。

単価の折り合いがつく確率は五分五分くらいであり、さらに仕事の内容とこちらから提供できる稼働時間で現実的に参入可能かどうかというのもあるので、実際にお話をしてから仕事につながる確率は30-40%くらい。それでも今年度は仕事が足りなくて困るということはなかった。

今年度は7社との契約をし、うち4社についてすでに契約を終了している。

個人事業主特有の雑務について

契約や請求書の作成、経費精算や確定申告などのことである。フリーランスになるとこの辺が大変だという印象があるのではないかと思うので実際どうだったのかについて考えてみる。

何事も経験ということで、これらの業務はとりあえず今年は外注せずに全て自分でやってみた。総じて事務処理が超苦手ということがなければ自分で出来てしまうなという印象だが、本当に正しく納税できているのか、無駄が発生していないかどうかなどプロの意見がほしいという気持ちもあるので今年は税理士さんに相談するかもしれない。

契約

読んで判子を押すだけ。特に難しいことはなかった。

請求書の作成と経費精算

請求書は月初のなるべく早い日(例えば今日)にfreeeを使って作成した。時間単価受けの仕事についてはこれを行うために日々の業務のログを取っておく必要があるが、これは Bearに作業時間と内容をかんたんにメモをしておき、手製のSpreadsheet(休憩時間が入力できる)に転記して実働時間を計算、報酬を計算して請求書を作るという具合であった。 契約の数の分だけ作る必要があるのでそこそこ時間が取られるが、月の業務の振り返りも兼ねてのんびりやって特に辛い思いはしなかった。

確定申告

freeeに入力していた売り上げや経費から青色申告に必要な書類はおおむね自動で出来上がる。家賃やふるさと納税、金融資産の運用益などがやや面倒だが、これもfreeeの指示の通りやっていけば埋まる。納税はWebから振り込みで完了する。

ので、難しいということは特になかった。本当に正しく納税できているのかはちょっと不安。

売上について

時間単価で受けた仕事の売り上げの合計は約11,000,000円であり、ここに掛けた時間は約850時間であった。よって平均の時間単価は約13,000円/時間となる。 ここにその他の受託案件の報酬約1,000,000円ほどと、株式会社ポインティ役員報酬を加えたのが今年の年収になる。

感想と今後について

今年は並行して契約している会社が多く、そのため1つの案件に掛けられる時間が少なくなりがちであった。この場合、受けられる仕事が小さく切り出せる仕事に限定されがちであり、受けたいけど受けられない仕事があったのがやや残念であった。また会社の売り上げやミッションに対して具体的な目標やそれに伴う責任感を持つという感覚は正社員のときに比べると弱くなり、なんとなくチームに入り込みづらく、一人勝手に疎外感を感じることもあった。(ただ一方でその気楽さがありがたいと感じることもあった。)

ところで、正社員時代に有給が何日あったか覚えていないが、仮に15日/年とし、土日と祝日を加えると年間の休日は135日ほどとすれば、正社員時代は (365 - 135) * 8 = 1840時間を目安に働いていた事になる(多分)。 1840 - 850 = 990時間は株式会社ポインティ の仕事に充てたことになる。この仕事のやり方を許してくれているメンバーに感謝をしつつ、とりあえず今年も同様の体制で仕事をしていく予定。

あと今年は英会話が一切活かせずちょっと勿体なかった。英会話が必要な開発案件があったらお声掛けください。